アニメ「源氏物語千年紀 Genji」誠意って何かね?

アニメ「源氏物語千年紀 Genji」三話までの感想。
この前のアニメ会のラジオでオススメしてたので見たんだけど、思ってた以上、3倍ぐらい、面白かった。
アニメ会も言ってたけど、まず出崎演出の妙が凄すぎる、というのが一つ。出崎統ってすげえ人なのだなと、正直度肝抜かれた。心をくすぐってくるような演出は世に数多くあれども、これほどまでにガッシリッ!と心を掴まれる演出は無いだろう、神懸っている。


源氏物語という原作の凄さがもう一つ。
原作読んでないんだけど。
アニメを見てる分だと、女性作者で女性に人気があるっていうイメージを持ってたんだけど、そのイメージとはだいぶ違う。もしかするとケイタイ小説の「恋空」みたいなノリかとも思ってたんだけど、当然ながら全然違った。
あと、ホストとか、アイドルとか、そういう主人公なんだろうと思ってたけど、それも違う。
見てると、恋愛がどうこうよりも、ジェンダーをすごい意識してしまうんだよね。二話で六条の御息所に弟子入りとか、仮にも天皇の息子(しかもイケメン)が女性に頭を下げて教えてもらうとか、そら熱い湯をかぶりたくもなるって話だよ。


非モテ男子は意外とフェミニスト』という言説を最近ブログで見たんだが、たしかに、とも思うし、いや全然フェミニストじゃない、とも思う。
僕自身は自分の事を非モテだと思うんだけど、僕が源氏の君だったら、まあ六条の御息所には行かないよね。弟子入りしてまでセックスしたくないと、非モテならそう思うはず。それは体目当てで相手を騙す事で最低だからやらない、という理屈なのか、女性に教えを乞うなんてプライドが許せないからやらない、なのかどっちだろう。


こういうアヤフヤなどっちつかずで曖昧で、はっきりしない、うじうじした感じこそ、それこそが非モテ非モテたる所以では無いだろうか。
女性が男性を見るときに、彼がフェミニストかそうでないか、なんて見て無いと思う。レディーファーストができるかどうか、というのも多分違うと思う。
まあ非モテの僕が言うのも何だが、誠意みたいなものを見てるんじゃないかと、一語では表しきれないけど、しいて言うならば誠意みたいなものかなと。
少なくとも源氏の君にはそれを感じる。
あとモテてる奴にもそれを感じる。いや、超いいかげんで女なんて便所だぜつってボッコボコ女殴るような最低な男も居るだろうけど、そういうとこはあんまり関係なくて、最低なりに誠意を女性に示そうとするんだと思う、本当に真剣に謝ったりね。誠意の見せ方が上手いというのもあるだろう。
で、女性はその一点だけを見てるのかなと。


そう考えると、非モテの誠意の無さが浮き彫りになって見えてくるというもの。オタクが嫌われるのも、性の対象が二次元なのか三次元なのかはっきりしろと、あなたの事が好きです言っときながらなんの悪びれも無く隠そうともせず二次元萌えとか、誠意が無いと。
何故、あなたの為ならこんなオタク趣味いつでも捨てます(本当にやめるかどうかは別にして)、と言えないのか、もっと誠意見せんかいと、ほんと誠意が無い。


そこで非モテなりの恋愛における誠意の見せ方を思いついた。
その名も、「弟子入り恋愛」
もちろんモデルは六条の御息所と源氏の君である。
ジェンダーを意識するから非モテは彼女の手をとる事ができない、「男」を強制されるようで嫌だからなのか、女性にかしずくのが嫌だからなのかは分からないけど、とにかく苦手。
しかしどうだろう、彼女を師匠だと思えば出来るのではないだろうか。
愛の告白はイコール弟子入りである。土下座したって良いだろう。彼女の帰りを待ち伏せしても良いだろう、誠意ある告白ができればOkしてもらえるかもしれない。何度も弟子入りしようとする奴はストーカーであり、断られたら諦めるのが誠意である、その彼女は弟子をとらない主義か門派が違うのだ。
非モテはそのように考えるべきである。