君筒と脱オタク

外人が日本のアニメを見せてくれる、らしいという情報を見つけて最近はそればっかり見てる。今週放送されたものでも、人気のあるものなら今日放送されたアニメでも、英訳された字幕付きで見せてくれる。一体誰がそんな事を、商業的なプロジェクトでもあるのだろうか、それとも単なる趣味かボランティアなのか、とにかく外人の中にも飽きれるほどアニメ好きな奴が居るって事はたしかだ。
少し前のアニメはすでに英語によるアフレコがなされている、素人に声優ができるとは思えないので、これはおそらく商業的に作られたものが無断で使われているのだろう。
しかし日本のアニメだというのに、英語で喋るキャラクターのせいでそのアニメを見てもさっぱり内容が分からない、悔しいような情けないような気持ちになった。


たしかアメリカなどの国の著作権は申告制だと聞いた記憶がある、「この作品には著作権がありますよ」と申告しないと権利が発生しない、みたいな制度だと認識しているけど、あってるだろうか。疑問に思うのは、あの外人が提供してるアニメは著作権的に合法なのだろうか、アメリカでの著作権申告などそういった手続きを日本のアニメ制作会社がやっていない、とは考えにくい。


とか、また勝手な憶測やらを書こうと思って調べてみたら面白いサイトがあった。
http://cruel.org/other/animeprogress.html


そういう訳で後は特に書く事も無い、↑のサイトが超面白い感じなので、後でじっくり読みたい、んで多分そこに全部僕が知りたい事が載ってると思う。


ところで最近目を引くのがオタクアイドル(オタクが好きなアイドルではなくオタクなアイドル)の存在だが、中川翔子はオタクじゃないと僕は思ってる、少なくともオタクのスタンダードな姿ではない、あれはただの変な人だと思う。
逆に喜屋武ちあきは本物というかベタなオタクだ、「苺ましまろ」を読んでるアイドルが居るとは思わなかった。僕はきっとオタクな男兄弟から影響を受けているんじゃないかと思ってるんだが、どうも男兄弟は居ないっぽい。
中川翔子は完全に母親の影響というか教育を受けているので、典型的なオタクっぽい感性とはズレていると思う。本来オタクとは教わるものではなく、自然とそうなってしまうような、社会的な属性だからだ。
中川翔子が使う2ちゃんねる用語も、彼女は明らかに作為的に2ちゃんねるという言葉を使わないようにしている。これは矛盾だ、あれだけあからさまにブーンだのテラだの言っておいて2chについて全く言及しないのは何故だろうか。おそらく彼女自身2chに深い思い入れは無いんじゃないだろうか、2ch大好きなのは彼女の母親で、その母親が娘に2chの言葉を教えているのでそれをただその通り言っているだけなんじゃないだろうか。


日本で最初のオタク世代は今50歳か60歳ぐらいか、さらにアニメオタクの世代だともっと下がって、30歳か40歳か、つまり今のオタクアイドル達の親の世代だ。今までと決定的に違うのはそこだ、僕らより上の世代にとって親がオタク趣味を推奨するなんて事は考えられない事だった。むしろ「いつまでもそんな子供みたいなくだらないものを見るんじゃない」と否定され続けてきた、それが今現在のオタク像である暗いネガティブなイメージを作り出す要因になってるんじゃないだろうか。
僕はオタクアイドルの彼女達からオタクの未来を想像する。親がオタクの家庭に育った子供はポジティブなオタクになる、もはやそれはオタクでは無いのだけれど、そもそもオタクという言葉自体、その発生は自虐的でネガティブなものが出典なのだ。まさに島国根性


オタクという言葉が適切じゃないとするなら、サブカルチャーという言葉があるが、これも適切では無い。どれも的を射て無い。オタクもサブカルも後から付け加えられた、誰かがカテゴライズして分かりやすくするために作られ、情報操作された概念だ。
少なくとも、もはや僕は自分の事をオタクでも無ければサブカルでもナードでも無いと思っている、僕が好きな物を好きなように楽しんでいる姿を形容する言葉は無い。ただし僕以外にも同じような物が好きで、同じように楽しんでいる人達がたくさん居て、共通する魂を持っているのは確かだ、その魂や姿勢に対して何か言語化できる言葉があるんじゃないだろうか、とは思っている。
「萌え」もそういう言葉の一つだと思うが、ポップすぎる、もっとハードコアなイメージのある言葉じゃないと的確じゃない。おそらく近いうちそういう言葉がでてくると僕は思っている。


いいかげん僕はうんざりしてる。どうしてもっとアニメを早い時間や無料配信(保存できない一時的な視聴方法で)しないのか、なぜ日本に居ながら外人が配信する日本のアニメを見なければならないのか、あげくアフレコまで英語でされて内容が分からないなんて事になるのか。漫画の輸出はどうだ、どうしてアニメとセットで売ろうとしないのか、外人の多くがアニメ作品の原作漫画をほとんど読んだ事が無いのはなぜだ。
オタクアイドルにグルメリポートさせて何が楽しいのだろうか、彼女らがブログを書いててそれが人気だという事を取り上げて何の意味があるのか。彼女らが人気なのは間違い無く、美少女なのにアニメや漫画が大好きだからだ。それが分かっていながらどのテレビ局もそこに触れようとしない、ネットに詳しいアイドルという真鍋かをりの劣化版みたいな扱いしかできないのだ。
ニュースではオタク文化が日本経済にとって重要だ、と言っておきながら、オタクのための情報番組がほとんど皆無なのはなんでだ。
オタクが差別的な言葉だと思うなら、もうお前らオタクという言葉を捨てるか忘れるかしろよ、と言いたい。


僕はすでにオタクである事をやめたよ。メディアや社会が求める「オタク」であろうとする事をやめた。
これはメディアに対してだけでは無く、実際すでにもうオタクに対しても僕は違和感を感じている。オタクという言葉を最初にネガティブなイメージで使ったのは当のオタクなのだから、そこからさらにメディアの影響を受け、それに甘んじて従っているオタク達、お前らと一緒にすんな。
僕はオタクなんかじゃ無いけど、アニメも大好きだし漫画もフィギアもプラモもアイドルも小説もSFもホラーもファンタジーも大好きだ! でも僕はお前らが言っているオタクなんかじゃあない! これが本当の意味での脱オタクだ。