僕らのIT革命その2

■ 前回のおさらい
自分のサイトを運営してる人としてない人では、同じwebサイトを見ていても全く違う風に見ている。そのため両者の間で意見の相違は生まれるしネット上のコミュニティも違う、これはインターネットに対する世界観が違うという事になる。
というよりも、それは結果的にそうなるだけで、実は逆。インターネットやパソコンに対する概念がそもそも違うから、両者のそういった違いが生まれるのではないやろか。という話。
http://d.hatena.ne.jp/slappy/20050522#p1


■ 続き
人工知能(AI*1)と仮想現実(VR*2)という二つの技術がある。AIってのは仮想世界のコンピューターが現実世界に介入してくる為の技術、VRてのはその逆で現実世界の人間が仮想世界へ介入する為の技術、だと思う。
でだ、今一般的に「パソコン=AI的コンピューター」と思ってる人が多数なんじゃないやろか。「私が考えなくてもコンピューターが考えてくれる」ていう「何もしなくても洗濯機が勝手に洗濯してくれる」的な発想の延長線上というか、「パソコン=色々出来る便利な家電」という考え方。いやそれはそれで正しいんやけど、あまりにもそっちばっかりに世間の目が行き過ぎてるような気がする。
ではもう一方のVR的コンピューターって何かっていうと、例えばキーボードを打つと画面に文字を書ける、マウスを使えば画面に絵だって描ける、メモ帳に覚え書きを書けば記憶をストックできるし、その他のアプリケーションで自由に創造し、それをフォルダでまとめてさらにネットに繋ぎ、自宅に居ながらに世界中の情報を集め発信する事ができる。そのため他人のパソコンを借りるとその人の趣味趣向や人格やら精神構造やらが分かる事がある、というよりも他人のパソコンには何か違和感を感じるはずだ、これは現実世界でいうところの他人と体が入れ替わったと同じと言えるんじゃないやろか。つまりVR的コンピュ―ターにおけるパソコンとは、自分の脳内を仮想現実化する装置、あるいは人間の思考や発想を補助する装置になる。


うーん、何か書いててとても常識的というか、当たり前の事を書いてる気がしてきた。でも前回も書いたとおり、こういう事をちゃんと文章化して書いてるサイトがほとんど無いので、初心者向けということで。
あと参考にちゃんと文章化してるサイトを一つ上げておこうかな、僕だけが考えてる事だと思われても信憑性が無いし。紹介するサイトは大学の助教授兼ミステリー作家の森博嗣という人のサイトのエッセイから。ほぼ同じような事を書いてる、と思う、どうだろうか。以下引用。

パソコンでできる大きな仕事というのはだいたい3つです。ひとつは文章を書くという使い方。これは一般にワープロといわれています。ワープロというと職業訓練学校なんかのコースにあって、ちょっと手書きを清書するためのもの、みたいな感じがしますが、どちらかというとアイデアプロセッサーと呼んだ方がよくて、手で書くより速く、考えをまとめることができます。私は、手で書かなくちゃいけない書類があると、先にワープロして、それを見ながら手で清書します。その逆はありません。

人間の頭脳を、漢字の書き順とか、誤字とか、そういう余分なものに使わないで、「何を書くか」「何を考えているか」ということに集中する効果があります。
(略)
 私は、最近は自宅から電話で大学のコンピュータに入って仕事ができます。うちの講座の学生も全員コンピュータでしか仕事をしませんので、誰が大学に来ているがすぐわかりますし、もちろんコンピュータ同志で話しもできます。もっとも、学生も大学に出てきているのではなくて、実は下宿にいて、電話で通信しているのかもしれません。そんなことは、どうでも良いのです。つまり、研究室というのは、物理的な建物にあるのではなくて、仮想の電子的な空間に存在するわけです。
(略)
コンピュータを使うと、今までになかった考え方みたいなものが、もう一つ自分に加わる、ということです。

「新入生へのコンピュータガイダンス」


『コンピュータを使うと、今までになかった考え方みたいなものが、もう一つ自分に加わる、ということです。』
↑これが一番今回の文章で僕が書きたい事のキモの部分。どういう事かっつーと、俗にアイデアとか発想とかっていう作業は組み合わせの妙だと言われている、例えば携帯電話という発明は「携帯できる」という利点と「電話できる」という利点を組み合わせた発明である、という具合に何と何を組み合わせるかっつー事が=アイデアを練るっていう作業と言えると思う。そういう作業をパソコンって奴はすごい助けてくれる。パソコン使ってる人なら誰しも経験あると思うけど、パソコンで何か文章を書いててちょっと気分転換にネットでサイトを巡回する、なんて事本来自分の部屋に居てるだけだと見れる物も限られてるんだが、パソコンがあればそんな限界はもはや存在しない、それによって受ける刺激や影響は間違い無くその時の文章に反映されてると考えていいでしょ。部屋の中で見れる物や自分の記憶の中だけでアイデアを練る作業に比べれば、つか比べるべくもなくその組み合わせの可能性は無限大だっつー事、これ知ってた?


ではそれらをふまえた上で次は、「インターネットを見る」って事はどういう事かと書いてみたい。正直コンピューターをAI的観点から見たネットの世界なんてつまらない事この上ない。検索すればどんな情報でも見る事ができる便利なインターネット=AI的観点から見るネットの世界、それはそうなんだけど、仮想の電子的な空間を行き来できるインターネット=VR的観点から見るネットの世界、ていうのを無視して使ってたんじゃ結局パソコンてのは便利な家電でしかなく面白く無いし、アイデアプロセッサーとしての能力も無くなってしまう。二つで一つじゃなきゃならない。
でもなかなか最初のうちはネットにVR的な世界を感じる事は難しいと思う。ネットを始めてとりあえず調べたい事柄をかたっぱしから調べて色んなサービスを利用して、ふと自分のお気に入りに入れたサイトを見てみると、ほとんど二度と見る事は無いようなどうでもいいサイトで溢れかえっている、なんて事ないやろか? その時君はこう思うはずだ「ネットって案外つまらんなあ、なんか飽きてきた」それから後はたまにネットショッピングや必要にせまられた情報を検索する、なんていうクソみたいなつまらんネットの世界が君を待ちうけているだろう。
じゃあどうすればいいかっつーと、超簡単、そういう時は自分のサイトを開設すればいい、そしたら君のネットの世界観は180度変わる事と思う。自分のサイトを運営する事こそ、最も簡単にVR的なネット世界を体験する手段の一つだという事だ。


「自分のサイト作れば、面白いで」という風に僕が他人に勧める時、必ず返って来る言葉は「いやあ、つっても何作ればいいか分からんし、書く事も無い」っていう。いや違うんや! と僕は言いたい、何でもいいから書いてみろと、ただの日記でええがな。そもそも内容よりも、ネット上に自分のサイトを存在たらしめるって事自体に意味があり、パソコンで文章を書く読むという事自体に意味があるんやで、と。
自分のサイトを運営してる人なら分かると思うけど、自分のサイトを運営するようになって見るサイトも増えていったはず、さらに自分のサイトに愛着などが生まれ始め、サイトを移転すると何かリフレッシュしたような錯覚や、日記の過去ログを消すと過去を清算したような気になったりする感覚。それこそVR的観点からみたネット世界だと思う。そして一度VR的観点からネット世界をとらえる事ができれば、自サイトを閉鎖したとしても後は自然とネットの世界を有意義に楽しめると思う。それこそが本当のインターネットの世界だと君にも分かるはずだ。


さて、またしても長くなっちゃったけども、しょうがない。この内容はかなーり前から思ってた事で前の前のサイトの時に一回書いた事あるんだけど、その時は手抜きしてちょっとニュアンスだけ書いただけで、なんか意味不明な電波っぽい文章になってたので、今回はちょっとしっかり書いてみた。初心者向けと書いたけども、自分のサイトを長く更新して運営してる人にも伝わって欲しい内容。つか果たしてネット初心者がこんな辺鄙なサイトのクソ長い文章を読むかっつーと疑問なんだけども、もし読んでくれた人がいるならその人に最後に言いたいのは、今こうして僕が書いている文章は、VR的観点から見れば君に直接僕が話しをしているっていう状況だ、こんな事ネットが無ければあり得ない事、そのすごさ分かるだろ? ようこそインターネットの世界へ! さあ僕と一緒に行こう! あの光射す方へ!


■ VR的ネット感覚を味わう為の光射す参考リンク
自分のサイトを持ちたい人は、各種ブログサービスを利用するといい、簡単に作れるよ。http://artifact-jp.com/weblog/

*1:Artificial Intelligence

*2:virtual reality